5/3より、FabLab Asia Network 1st Conference (FAN1) 当日となりました。Boot Campはマルチセッションで3日間開催されました。
会場では別のBoot Campも並行して行われているので、とても賑やかです。
この日は各国のFab Master/Managerよりも現地の大学スタッフや来場者の参加が多い印象でした。
まずMDX-40Aに生基板を固定し、原点合わせを行います。
次にEagleで作成したアートワークをpngファイルで出力します。解像度は2,000dpiのモノクロ。
pngファイルをアートワークをFab Moduleに読み込んで、各切削パラメータを入力します。
今回使用したエンドミルは、φ0.01inch(0.254mm)、シャンク径は0.125inch(3.175mm)の
ストレートエンドミル(GARR TOOL社製のGT11550)です。
参加者がたくさん居るため、加工の間にArduinoのサンプルコードの解説を行いました。
無事加工に成功!
顕微鏡で切削したエッジの状態などを一人ずつ確認してもらいました。
ここまで、簡単に基板切削を行えたような流れになっていますが、初めての機械やプログラムを使用する際には何らかのトラブルにぶつかるのが常で、今回も例外ではありませんでした。
まず、今回準備していた
Arduino互換機のアートワークは配線数が多く、短時間のワークショップには不向きだったので、OhadにFab Academyで使われているパターンを頂きました。Attiny44AにLED1個とリセット用のタクトスイッチ、書き込み用ピンヘッダが載っただけのボードですが、ジャンパ数(Via数)ゼロで、切削のみで配線可能なアートワークになっています。
ATtiny Embedded Programming with the Arduino IDE @Fab Academy
Fab Modules
Fab Academy受講生の各レポートページ
次にそもそも
Roland DGの切削加工機は基板切削用ではないので、標準ではガーバーファイルを読み込めません。また基板切削時のツールパスも3D彫刻の場合とはいくつか異なるパラメータ、パス生成が必要となります。そこでFabLabではNeilの「Fab Modules」というCAMが一般化しています。このCAMは切削加工に限らず「あらゆる工作機械に対応」することをコンセプトに開発されています。入力フォーマットは基本的に
PNGなどの画像ファイルとなります。従って、Eagleからはガーバーではなく、
PNG画像を出力します。ただ、MDX-40Aはまだ対応機種に含まれていなかったため、会期中に青木さんと一緒に対応可能か検討を行いました。青木さんが、CUPS経由で接続可能なことまでは突き止めたものの、実際に出力してみると、スケールが設計長の1/2.48となっていることがわかりました。つまりEagleの方で2.48倍で設計し直す必要があります。しかし、これだと今回のワークショップでは何とかなるものの、今後FabLab Boholで基板を作る場合にとても不便です。
ということで、青木さんがEagleで設計した基板をMDX-40Aで出力するまでの手順マニュアルと、スケールを2.48倍(倍率指定可能)にするPythonコードを書いてくれました。さすが世界を渡り歩いているハッカーです。
合間にAgICの銀インクペンでお絵かき中
BISUのFrancisと。
10日目(5/7)に続く。