FabLab太宰府レポ2

翌日、2014年9月20日太宰府駅の近所にある太宰府館でFabLab太宰府の一般向けオープニングイベントが開催されました。



太宰府駅を降りて会場に向かう途中にある太宰府天満宮の入口



早速、名物の梅ヶ枝餅に捕まる。



インパクトのあるスタバ



太宰府館の横に太宰府バーガー屋さんが・・



なかなか会場に辿り着けない。



そしてここが太宰府



まずはFabLab太宰府の柳瀬さんのご挨拶



全国からお祝いに駆け付けたFabLabの自己紹介。写真はFabLab佐賀の陣内さん。



さらに文具王の高畑正幸さんや、太宰府天満宮文化研究所のアンダーソン依里さんのご講演
オープニングのさらなる様子はFabLab太宰府のblogが詳しいです。



アンダーソン依里さんの講演にあった、「おみくじの色を季節によって変えている」というお話が気になったので、天満宮へ見学に。



おお!この時期は黄色でした。



そして再び梅ヶ枝餅



さらに喫茶店



店主が大きなオルゴールを掛けてくれました。




なんか半分以上、太宰府めぐりのレポートな気がしますが、今回はさらに九州にあるFabLabを訪問してきました。
つづく。

FabLab太宰府レポ

2014年9月19日、今度は九州にあるFabLab太宰府に行って来ました。
FabLab太宰府は9月にオープンした、日本の11番目のFabLabです。



FabLab太宰府都府楼前駅から歩いて行ける株式会社イーケイジャパンの本社内にあります。株式会社イーケイジャパンはあのエレキットの会社です。



会社の窓に「ファブラボ太宰府」の看板が。



中にはエレキットがたくさん見えます。



この日はFabLab太宰府を貸切で、1年ぶりのFabLab Japanミーティングを行いました。



久しぶりにリアルで日本各地のFabLab運営メンバーが集まって、現在の課題について議論しました。



レーザー加工機はOh-LaserのHajime



CNCフライス盤はオリジナルマインドのKitMill BT200



カッティングマシーンはFabLabにはめずらしくbrotherのScanNCut CM110



エレキットだけあって作例にも電子工作が。

翌日につづく。

FabLab仙台レポ

2014年9月8日、浜松に続き、FabLab仙台(FLAT)に行って来ました。
仙台は現在、国内で最も北にあるFabLabです。



仙台駅に到着



仙台駅から歩いて行け、大通りに面した雑居ビルの中にあります。



一見何処にあるかわからない・・



良く見るとプレートはレーザー加工ですw



4Fに上がると、開け放たれたドアからツールボックスが見えます。



入り口から



入り口にある作品棚



FabLabの条件のひとつとして「Fab Charterを掲示すること」がありますが、その掲示方法はラボそれぞれです。
仙台ではMDFを塗装して、その表面をレーザーで彫刻したものでした。
うちのようにシナベニアに直接彫刻する場合に比べ、コントラストが強くて見易いです。



レーザー加工機はhajimeと



UNIVERSALが各1台。UNIVERSALの方はマネージャである渡辺さんの私物とのこと。



レーザーの排気部をレーザーで作成しているのは定番?
ネジでクランプ圧を調整できるようになっている辺りが細かい。



先日の展開図武道会2014で優勝した作品も。



こちらは地元の工芸家と研究している、レーザー加工と箔押し加工のコラボ作例。



こちらも地元の会社とのコラボで生まれた製品で、トランペットの先に付ける「ミュート」。
3Dプリンタでいろんなアレンジができるとのこと。
凄いのは、3Dプリンタ出力そのままで製品化してしまったこと。

FabLab仙台は宮城県の緊急雇用創出事業で運営されており、地域のビジネス創出支援などがミッションとのことです。同モデルはIAMASのf.Laboがそうでしたが、この事業は1年間などの期間が設定されているため、その後の運営費用の調達方法が課題となっています。FabLab仙台は来年3月で事業が終了となるため、現在その後の運営に向けた調整を行っており、引っ越しも視野にあるそうです。

FabLab浜松レポ

先日(2014/08/30)、下呂温泉で開催されたSWESTの帰りに、FabLab浜松に寄って来ました。
国内10番目のFabLabで、現時点で最も最近できたFabLabです。



FabLab Hamamatsuの建屋



入口を入ると、中にさらに入口が・・



ここが上記入口横のメインスペース



3DプリンタRepRap系がたくさん



電子工作用のスペースなど、作業スペースが広くていい



MDX-20は元の箱に入っているw



MDX-20で削られた基板たち



マスターの竹村さんが今年のFabAcademyの卒業課題で作られた"a vending machine connected to internet"



大型の工作機械は別の建屋に



竹村さんお勧めのアンゼンソー。アクリルのカットに良いとのこと。海外のFabLabでも見かけたらしいw



中国製レーザー加工機の大きいやつ



平行どころか、ハニカムテーブルも歪んでいますの図



冷却は相変わらず水冷で、ラジエターを付けて使用しているとのこと



他にも良く見かける旋盤や、



フライス盤(CNC化済)など、切削加工機が揃っています。



CNCフライス盤の制御基板の防塵ケースはタッパーw



作業スペースだけでなく、物置スペースもたくさん。ちなみに床のコンクリートの施工はご自身でやられたとのこと



建屋の脇に2階へ登る階段(自作)が・・



階段を上った先の屋上にて。左から3番目がFabマスター(グル)の竹村さん

FabLab浜松は2年前からTake-Spaceとして活動し、2014年7月27日にFabLab入りしました。マスターの竹村さんのご自宅の農家の納屋を改装しているため、かなりアットホーム感があります。金属加工用の工作機械が多く、マスターの色が良く出ているFabLabだと思います。ただ、逆に仲間内での利用が中心となっているようなので、課題はオープン性の維持ではないかと思いました。

FAN1最終日

5月7日は、FAN1の最終日で、現地の課題を考えるためのツアーとなりました。回ったのは、機織り工場、お米の農家、ゴミの埋め立て場、そしてチョコレートヒルズの4か所です。結論から言うと、僕がFabLabですぐに課題解決できそうだと感じたのは、最初の機織り工場だけでした。



最初に向かった機織り工場。



ランチョンマットやカーテン(すだれ?)等が作られています。



機織り機などの機材はフィリピンの貿易産業省 DTI (Department Trade and Industry)の支援によるものです。日本のJICAはDTIに支援を行い、DTIが現地の企業などに支援を行う流れとのことです。JICAの徳島さんはDTIの職員でもあるそうです。



壁に貼られた説明にはJapanの文字も。



この機織り機はいろいろ問題点があって、例えば横糸は手で渡すのですが、



この木をくり抜いたものに糸巻を入れて端から投げ入れるだけなので、



反対でキャッチし損ねて、糸を巻き直すという光景に何回も遭遇しました。



子どもが拾って来たw



また、1台のセットアップに最長1ヵ月も掛るそうで、



一番大変な工程は、この縦に並んでいる金属の櫛に1本ずつ糸を通す作業だとか。



他にも、糸を巻き取る作業で、写真の右側の筒がモーターで回転する機構を使用しているのですが、



モーターと筒を結ぶ動力伝達用の糸が頻繁に切れるらしく、交換用の糸が準備されていました。



このペダルを踏むとモーターが回る。
そもそもなんで糸で延長しているのかを聞いたところ、作業者の方は理由はわからないそうです。これはFabLabの機材を使うまでも無いかもしれませんが、一番簡単に解決できそうな気がしました。



完成したランチョンマットを販売していました。



すだれ?



お昼はBoholの有名な観光スポットである、チョコレートヒルズに来ました。



ワッフルなー



お昼ごはんの後に、展望台へ登って行きます。



展望台の上から。



江渡さんと一緒に。





なんかアスレチックぽいのもあった。
Boholの観光産業の一つのようですが、お土産屋さんは屋台程度のものが1軒あっただけで、そこで収益を上げている感じには見えませんでした。



チョコレートヒルズの後は、現地のお米の農法について展示しているところへ(入場料がある)。



カルガモ農法なのねw なんかこの時は大人のカモばかりで、可愛いのは居ませんでした。



次にゴミの埋め立て地へ。日本の「夢の島」って、こんな感じでしたよね?



ツアーの最後はBoholの数少ないビーチの一つのAlona beachへ。





夕方になるとこんな感じ。浜辺でマッサージもできて、もう寝そうw



次の日、最後のお昼はみんなでJollibee(ハンバーガーショップ)へ。







Bohol空港にて。



ということで、約10日間のフィルピン Bohol島でした。
FabLabの国際会議は世界中のFabLab運営者と交流できる数少ない機会ですが、今回は日本のFabLab運営者や田中先生とじっくり話す機会が取れたのも大きな収穫でした。
本当は日本人同士はできるだけ国内で会う時間を作りたいところなのですが・・
また機会があれば、各国でのFabLabの立ち上げに参加したいと思います。

FAN1とBootCamp当日(5/3〜6日)

5/3より、FabLab Asia Network 1st Conference (FAN1) 当日となりました。Boot Campマルチセッションで3日間開催されました。



私の担当のクラス名は「Arduino+MDX Class」、つまりMDX-40AでArduinoを作るワークショップです。



会場では別のBoot Campも並行して行われているので、とても賑やかです。
この日は各国のFab Master/Managerよりも現地の大学スタッフや来場者の参加が多い印象でした。



まずMDX-40Aに生基板を固定し、原点合わせを行います。



次にEagleで作成したアートワークをpngファイルで出力します。解像度は2,000dpiのモノクロ。



pngファイルをアートワークをFab Moduleに読み込んで、各切削パラメータを入力します。
今回使用したエンドミルは、φ0.01inch(0.254mm)、シャンク径は0.125inch(3.175mm)の
ストレートエンドミル(GARR TOOL社製のGT11550)です。



参加者がたくさん居るため、加工の間にArduinoのサンプルコードの解説を行いました。



無事加工に成功!



顕微鏡で切削したエッジの状態などを一人ずつ確認してもらいました。
ここまで、簡単に基板切削を行えたような流れになっていますが、初めての機械やプログラムを使用する際には何らかのトラブルにぶつかるのが常で、今回も例外ではありませんでした。



FabLab IL(Israel) Co-ManagerのOhad
まず、今回準備していたArduino互換機のアートワークは配線数が多く、短時間のワークショップには不向きだったので、OhadにFab Academyで使われているパターンを頂きました。Attiny44AにLED1個とリセット用のタクトスイッチ、書き込み用ピンヘッダが載っただけのボードですが、ジャンパ数(Via数)ゼロで、切削のみで配線可能なアートワークになっています。

ATtiny Embedded Programming with the Arduino IDE @Fab Academy
Fab Modules

Fab Academy受講生の各レポートページ



東京大学大学院の青木さん
次にそもそもRoland DGの切削加工機は基板切削用ではないので、標準ではガーバーファイルを読み込めません。また基板切削時のツールパスも3D彫刻の場合とはいくつか異なるパラメータ、パス生成が必要となります。そこでFabLabではNeilの「Fab Modules」というCAMが一般化しています。このCAMは切削加工に限らず「あらゆる工作機械に対応」することをコンセプトに開発されています。入力フォーマットは基本的にPNGなどの画像ファイルとなります。従って、Eagleからはガーバーではなく、PNG画像を出力します。ただ、MDX-40Aはまだ対応機種に含まれていなかったため、会期中に青木さんと一緒に対応可能か検討を行いました。青木さんが、CUPS経由で接続可能なことまでは突き止めたものの、実際に出力してみると、スケールが設計長の1/2.48となっていることがわかりました。つまりEagleの方で2.48倍で設計し直す必要があります。しかし、これだと今回のワークショップでは何とかなるものの、今後FabLab Boholで基板を作る場合にとても不便です。

ということで、青木さんがEagleで設計した基板をMDX-40Aで出力するまでの手順マニュアルと、スケールを2.48倍(倍率指定可能)にするPythonコードを書いてくれました。さすが世界を渡り歩いているハッカーです。



6日のシンポジウムではそれぞれのBoot Campについても報告が行われました。



合間にAgICの銀インクペンでお絵かき中



BISUのFrancisと。

10日目(5/7)に続く。

FAN1とPre-BootCamp4

5日目の5/2はなんと、急遽フィリピンのアキノ大統領 (Benigno Simeon Cojuangco Aquino III) が視察に来られるということで、みんな準備に大忙しでした。



大統領の到着待ちでそわそわしているFabLab内



今日だけ作業スペースが展示スペースにw



いつものSusufabduino



鎌倉の作品など



こちらは関内の樹脂リサイクル器など



あれ?アイロンとかあったんだ。



高橋さんのFabLab看板も無事完成している。



そして、アキノ大統領到着!
JICAの徳島さんが各機材と、それらで作られる作品などを一つ一つ紹介。FabLab内は記者とカメラでいっぱいなので、ライブカメラよりw



Polycomで世界中のFabLabが24時間繋がっていることを説明。



この時間は接続しているところが2箇所しかなかったけど、日本は鎌倉が繋いでくれていました!アメリカやヨーロッパとは時差が大きいので、昼間は接続数が少ないのです。逆に言えば、アジアのFabLabはまだ少ないということかも。



FabLab視察の後のアキノ大統領の演説。ここからだと遠いw



アキノ大統領が帰られた後はFabLabの作業の続き。この日は到着した日本各地のFabLabメンバーと、アースの敷設工事を行いました。壁にあるコンセントにはアースの端子があるのですが、どうも配線されていないようで、工作機械もPCもびりびりします。そこで近所のお店でアースロッドとハンマーを購入してきました。



アースロッドはケーブルとホースバンドで締結w



接地したケーブルと、工作機械やPCとの電位差を測ったところ、AC70V〜110Vくらいありました。接地は成功。



OAタップのアース線に接続して完成です。

6日目につづく。